
セラピストとして、これまでたくさんの身体に触れてきて分かったことがあります。
それは、身体はとても素直だということ。
身体は嘘をつきません。嘘をつくのは、たいてい頭や思考です。
「まだ大丈夫」
「もう少し頑張れる」
「今日は休めない」
そうやって思考は身体の声を無視し続けます。
けれど身体は、無視され続けるほど分かりやすい形でサインを出してきます。
その代表例が、寝不足からくる頭痛と吐き気です。
頭痛や吐き気が起きると、集中力は落ち、仕事はできず、日常生活がままならなくなります。
つまり身体は、こう伝えているのです。
「もう無理です。今は休んでください」
睡眠欲は、食欲・性欲と並ぶ三大欲求のひとつ。
生きていく上で、後回しにしてはいけない欲求です。
その睡眠欲が満たされない状態、つまり寝不足が続くと、生命を維持するための機能が乱れ始めます。
その乱れが、「症状」という形で表に出てくる。
その中でも、一番分かりやすく、確実にあなたを休ませる症状が頭痛と吐き気なのです。
寝不足は泥酔状態と似ている
ここで、ひとつ。
睡眠不足の状態は、アルコールを摂取して酔っている状態と非常によく似ている
ということが、研究でも分かっています。
24時間以上起き続けた状態は、血中アルコール濃度0.1%前後の泥酔状態と同程度の判断力・反応速度の低下を起こすとされています。
つまり、寝不足のまま日常を送っているということは、
- 判断力が鈍る
- 注意力が落ちる
- 感情のコントロールができなくなる
そんな状態で生きているのと同じ。
それでも多くの人は、「寝てないけど大丈夫」と思考でごまかします。
でも身体は、ちゃんと分かっています。
頭痛が意味するもの
寝不足による頭痛には、はっきりした理由があります。
- 睡眠不足により脳の血管調整機能が乱れる
- 自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスが崩れる
- 脳が十分に回復できず、炎症物質が処理されない
これらが重なり、緊張型頭痛や片頭痛が起こりやすくなります。
特に現代人は、
寝不足のまま思考を使い続けるため、
- 頭が締めつけられる
- 重たい
- ズキズキする
といった頭痛を感じやすい。
これは、身体が発している明確なメッセージ。
「これ以上、頭を使わないで」
という合図です。
吐き気が意味するもの
吐き気もまた、寝不足と深く関係しています。
睡眠不足が続くと、
- 自律神経が乱れる
- 胃腸の働きが低下する
- 消化管のリズムが崩れる
ということが起きます。
自律神経は睡眠中に回復します。
その回復が行われないと、胃腸は「休めないまま働かされる」状態になります。
結果として、
- ムカムカする
- 食欲が出ない
- 吐き気がする
という症状が現れる。
これは身体が、
「これ以上エネルギーを使えません」
と、ブレーキをかけている状態です。
薬で寝不足を補うということは不眠借金を背負うこと
頭痛薬や吐き気止めで、症状を抑えることはできます。
でも、ここで大切なことをお伝えします。
睡眠不足は「借金」と同じで、必ず返済が必要です。
これを「睡眠負債」「不眠借金」と呼びます。
薬で症状を抑えても、
- 脳の回復
- ホルモン分泌
- 自律神経の調整
これらは、睡眠中にしか行われません。
つまり、
薬で症状を抑える = 借金を先延ばしにするだけ
いずれ、より強い症状や不調としてまとめて返ってきます。
身体は帳尻を合わせるのです。
睡眠時間と質のよい睡眠
現代人のほとんどは睡眠負債を抱えている
現代人の多くは慢性的な睡眠不足状態にあります。
そのため、
- 7〜8時間以上の睡眠
- 休日はできるだけ長く寝る
- 「とにかく寝る」ことを習慣にする
これがとても大切です。
眠れるときに、眠る。
それだけで、身体はかなり回復します。
質の良い睡眠のための環境づくり
睡眠の質は、環境で大きく変わります。
おすすめは、
- パロサントの香木
- アロマオイルディフューザー
- 蜜蝋蝋燭のやさしい炎
- ゆったりしたBGMやハンドパン
- 身体が冷えない温かい部屋
- 寝る前の白湯
- 湯たんぽでお腹や足元を温める
大切なのは、副交感神経が優位になる空間をつくること。
頑張るための環境ではなく、ゆるむための環境です。
まとめ
寝不足からくる頭痛や吐き気は、敵ではありません。
それは、身体からの正直で、切実なメッセージです。
- もう休んでいい
- これ以上、無理をしなくていい
- 生きることを最優先にしてほしい
そう、身体は伝えています。
思考でごまかさず、薬で押さえ込まず、一度、立ち止まって眠ることを自分に許してあげてください。
眠ることは、怠けではありません。
生きるための、いちばん大切な行為です。
身体は、あなたの味方です。
ちゃんと、声を聴いてあげましょう。

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